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スリランカ

の国には南洋に浮かぶ真珠という表現が合う。

緑に覆われた大地、目の覚めるような美しい海岸線、そして仏教を信仰する優しい人々。大らかで伸び伸びした国です。シンガポールからわずかな時間でコロンボへ飛べます。

スリランカの見所は、広大な古代仏教遺跡・ポロンナルワ、古都・キャンデイ、中部地方に残る美しい彩色仏教壁画、胡椒や紅茶などの産物、南部ゴール地方独特の漁法(海に竿を立て、そこに掴りながら行う漁)などでしょうか。
この国の人々はインド同様アーリア系の人々ですが、熱心な仏教徒で非常に優しい人々です。インドの様に生存競争で鍛えぬかれた人々の中に揉まれ、苦しい旅を強いられると言う事はありません。戦後対日賠償請求を一早く放棄した親日的な国でもあるのです。


ポロンナルワ遺跡群ランコトゥ・ヴィハ−ラ

コロンボ・ヒルトンから見下ろすゴールフェイス・グリーンは実に美しい。
静かに波が打ち返し、まっすぐに海岸線が南に延びている。そして国会議事堂が道路を挟んで広がっている。首都がスリジャヤワルダナプラに遷都されたとは言え、この町は依然スリランカの中心である。
この静かなただずまいがこの国の良さをそのまま現わしている。

ジャングルに突然出現する巨大な岩。それがシーギリア・ロックであった。
この巨大な岩の上部に王宮が存在していたのである。外部の敵を完璧に遮断し、岩の上部に暮らしつづけた。そしてそこにスリランカの仏教美術の粋が花開いていた。

断崖につけられた階段を登る。階段が落ちれば巨大な岩山の下にまっ逆様だ。粗末な階段を登る。眼下には広大なスリランカのジャングルが広がっている。そして頂上へ。頂上には貯水池や礼拝堂・会議場などがあり立派に自給自足できる様になっている。そして岩壁の洞窟に入ると、そこには目を見張るような壁画が展開していた。色が鮮やかで見事だ。ジャングルの奥深く、この岩山の上にこのような宮殿が存在していたとは、誰がこれを想像できただろうか。5世紀に作られたこの宮殿は19世紀後半まで誰にも知られることなくジャングルの中で眠りについた。
そして1875年のとある日、ジャングルから望遠鏡でこの山を見ていた一人のイギリス人により、この絵は発見される。神秘に包まれた土地である。

ポロンナルワは、インドネシアのボロブドゥール、ミャンマーのパガン、カンボジアのアンコールワット、タイのスコータイなどと並ぶアジアを代表する仏教遺跡である。
乾燥した土地に点々と遺跡が広がっている。ここの僧侶はアーリア系の顔立ちで、黒っぽい顔にオレンジ色の袈裟がよく似合っている。
道中、森の中で象を見た。象、ジャングル、アーリア系の僧侶…神秘さが増幅される。失われた仏教世界…そんな気持ちにさせられる土地である。人々は非常 に人懐こい。遺跡に小学生が修学旅行に来ていた。日本人が珍しいのか喜んでじゃれてくる。ここは何ともいえず心がなごむ所である。

シーギリア・ロックの彩色仏教壁画

ライン

 ウエスト・オーストラリア(WA)

ースを中心に広がる豊かな自然に囲まれた地域・ウエスト・オーストラリア。
奥深い自然と無人の土地…ここはまた素晴らしい楽園の広がる土地です。日本の7倍の面積に180万人強の人口。その内130万人近くがパースに住んでいるのです。すなはち、パースを出ると本当に人が少ないということです。この楽園を車で行く旅は多彩な自然に感動し、立ち止まっては走る…静かでしっとりした旅になることでしょう。

私はパースから西海岸沿いをバンバリー、バッセルトンまで下り、ビーチを堪能した上で、南西部のレインフォレストの広がる広大な森林地帯へ入り、南端のアルバニーで南氷洋を眺め、この町の北に広がるステイアリング山脈の未舗装の道を50km走ってアルバニー・ハイウェイを北へ戻ると言うコースをとりました。このコースでは美しく誰もいないビーチで遊び、レインフォレストの中にある湖でカヌーをしたり、森林を散策し、鳥の声を聞き、アルバニーで極南の厳かな光の中で南氷洋を見つめ、Stirling山脈では手付かずの自然の中を走り、とにかく自然と心行くまで触れ合うことができます。ハイウェイではカンガルーがブッシュから飛び出してきますので注意が必要です。また次の村まで100kmも何も無いところがありますので、ガソリンは常に満タンにしておかないと怖い思いをします。Stirling山脈では道路が未舗装で結局レンジャーの乗ったランドクルーザーが一度追い越して行っただけでした。ガソリンが切れたら全くお手上げです。
山中は走っても走っても何もなく、山脈を下りきった森の中で小さな道標を見つけた時には本当にほっとしました。
パースからは3泊4日で行って来れます。
またパース自体にも、コアラやカンガルーのいるWildlife Parkやワイナリーなど楽しめるものが多く、町を流れるスワン・リバーのほとりには芝生が広がり、青い漣がまぶしい限りです。 

ビードラップ湖では朝、鳥のさえずりと風に揺れる森林の音の中で目が覚める。別荘のベランダからは湖がすぐ下に見えている。そして対岸にはレインフォレストがせり出している。こんな環境の中で飲むコーヒーが私は大好きだ。ここでは視界に入るあらゆるものが生命に満たされている。


ビードラップ湖のほとりで

夕刻には外に出て斧で薪を割る。太い木が一撃で割れた時の感触がたまらない。子供に薪を渡すとよろよろしながら暖炉まで運んで行く。心なしか、旅に出て子供達の表情が豊かになった。生き生きしている。暖炉に赤々と火が灯った時、子供達は暖炉のそばに座り火を見つめていた。いい光景だ。どんなに利かん坊でも自然の魅力には圧倒され静かに見入る。それ程魅力があるのだ。私も大自然の様に子供達が知らず知らずのうちに夢中になって話しに聞き入ってしまうような、そんな魅力ある父親になりたい。子供達の後ろのイスに持たれかかりながらビールを飲んだ。大自然の中では本当に誰もが生き生きとして魅力的に見える。

Stirling Range

太陽の光が厳かな威厳を持ち始めた頃、道は視界から消えた。その向こうには力強い波の音だけが響いていた。視界の届く限り人はいない。民家も無い。海の彼方に目を凝らす。ここをもってオーストラリア大陸は終わる。そしてこの海の向こうには無人の大陸・南極がある。すなはち人の住む世界はここで終わるのである。強い風に煽られながら南の果ての大地を見渡した。この厳かな光は何だろう。いつか、ノルウエーの北端で見た極北の光に似ている。静かで、しかし力強い崇高な感じのする光だ。フレンチマンズ・ベイ。ここからアルバニーまではもうすぐだ。

Stirling Rangeの山中には舗装された道は無い。手付かずの自然が残る地域だ。入り口から50km。もしガソリンが切れたりパンクしたら大変だ。山中で車を止め景色に見入る。音が無い。時折吹く風と木々のふれあう音が全てを支配している。独特の植物生態だ。そういえば昨日60cm位あるとかげが道端で死んでいたが、あんな動物がどこからともなく出てきそうなブッシュが続いている。走っては止まり山々を眺めた。
2時間近く走ったであろうか。森林の中で小さな道標を見つけた。左がアルバニー・ハイウェイだ。私は大きくハンドルを左に切った。無人の山中のドライブ。我々は無事にStirling Rangeを抜けた。

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